各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ
復興から新しい熊本づくり~上質な生活都市の実現に向けて~
昨年の熊本地震によって熊本市を始め県内の多くの市町村が大きな被害を受けました。震災から1年3ヵ月、この間、国や県、全国の多くの自治体や企業、団体、個人等から温かいご支援とご協力をいただくとともに、市民や地元企業の皆様の懸命な努力によって、復旧・復興は確実に進んでいます。ご支援、ご尽力に深く感謝申し上げます。
本市ではこれまで、被災された方々の生活再建を最優先に、復旧・復興を進めてまいりました。そして復興元年となる今年度は、さらに復興を加速させるとともに、震災を乗り越え、「新しい熊本市」の創造に向けた一歩を踏み出していかなければならないと考えています。
そこで、まずは最も重要となる被災者支援の取組みとして、応急仮設住宅等で暮らす方々の恒久住宅の確保・移転に向けた、「伴走型住まい確保支援事業」を7月から開始したところであり、各世帯の状況や希望に沿った可能な限りの支援を行って参ります。
また、復興を本格的な軌道に乗せるためには、それを下支えする地域経済の活性化が不可欠であり、本市事業所の9割以上を占める中小企業の経済活動の支援、具体的には、グループ補助金の活用促進や、各種融資制度の周知・利用促進、商店街施設等の災害復旧支援など、各事業者の意向に耳を傾けながら、事業活動の持続的な発展に向けた取組みを展開して参ります。
更には、市民や事業者の皆様が本市の未来に夢が持てるよう、将来に向けた施策にも積極的に取り組んでいます。①市民の生命と健康を守る拠点となる市民病院の再建、②熊本の物心両面にわたるシンボル熊本城、大天守の修復、③中心市街地の二核三モール再生に資する桜町地区市街地再開発事業及び大規模MICE開催等を可能とする(仮称)熊本城ホールやバスターミナルなどの整備、④国内外からの多くの来熊者を迎え元気な熊本をアピールする機会となる世界女子ハンドボール選手権やラグビーワールドカップの開催など、2019年に向けて準備を進めています。
加えて、この年には熊本駅の東口駅前広場も完成し、長年整備を進めてきた陸の玄関口の駅機能が完成します。その後、大型商業施設を併せ持つ熊本駅ビルが落成、中心市街地の新たな拠点が誕生することとなっており、既存の二核との相乗効果によって、さらに魅力あふれる都市となることが期待されます。
このように2019年には本市の発展を導く重要事業が次々と完成することとなり、この年はいみじくも市政施行130年に当たる年でもあります。熊本市はこの節目の年を契機に、更に大きく飛躍することとなります。そのためにも着実に準備を進め、魅力あふれるまちづくりを一歩一歩進めてまいります。
私ども行政に携わる者はもとより、各事業者、団体、そして市民の皆様と、これまで以上に連携を深めながら、官民一体となって、新しい熊本づくり~上質な生活都市~を実現して参ります。市政発展のため、皆様の益々のご支援、ご協力をお願い申し上げます。
2017年8月号掲載
熊本市 副市長
多野 春光
昭和55年3月熊本大学理学部卒業、昭和56年4月熊本市役所入庁、平成12年4月熊本城総合事務所整備振興課長補佐、17年4月行政経営課長、21年4月交通局次長、23年4月観光文化交流局 局次長兼観光交流部長、24年4月農水商工局長、27年4月総務局長、29年4月より現職
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