各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ
東区のこれからのまちづくりについて
熊本県中小企業家同友会におかれましては、日頃から地域経済の牽引役として、企業や人づくり、地域づくりに積極的に取り組まれ、地域社会の発展にご尽力をいただいていることに対しまして敬意を表します。
さて、平成24年4月の区政施行により東区が誕生してから本年で8年目を迎えますが、東区は5つの区の中で最も人口が多く、区域内には九州自動車道のほか複数の主要幹線が走り、商業施設や医療機関、教育施設等も多く都会の姿を見せる一方で、北には託麻三山、南には江津湖の自然が広がり、都市の利便性と自然とが調和した住環境に優れた地域です。
このような環境の中で、各地域では自治会などを中心に様々な地域団体の活動が活発に行われていますが、一方では、近年の少子・高齢化の進展により、地域のまちづくりの担い手不足や人と人との繋がりの希薄化などから、地域コミュニティにおける課題が複雑・多様化してきている状況にあります。
また、平成28年4月の熊本地震による被災の教訓から、発災直後における行政対応の限界や地域における助け合いの大切さ、いわゆる自助・共助の重要性を再認識したところであり、行政のみでなく市民との協働、そして地域全体で課題等を解決していかなければならないことを痛感したところです。
東区では様々な課題に対応し、自主自立のまちづくりを推進していくために、「東区まちづくりビジョン」に基づいた取組を進めており、平成29年度からは管内3箇所にまちづくりセンターを設置しオール東区役所で、地域ニーズや課題等にきめ細やかに対応しているところです。
本年度はまちづくりの重点的な項目として、熊本地震で被災された方々に対する一日も早い生活再建のための支援、生涯を通して健やかでいきいきと暮らせる地域包括ケアシステムの推進、安全で安心して暮らせる地域防災力の向上の3つの柱を掲げ、取り組んでいるところです。
まず、被災者に対する生活再建支援として、恒久的な住まいへの移行支援を始め、みなし仮設住宅入居者の交流会開催など、地域とのつながりを深め、前向きに生活再建に取り組んでいただくための支援を行っています。
また、市民や地域団体、事業者そして行政が連携を図り、地域全体で見守り支えあうための「東区ささえあいプラン」を策定し、これに基づいた取組を協働で進め、地域包括ケアシステムの推進に努めています。
さらに、地域防災力の向上としては、地域団体、施設管理者、行政が其々の役割を担い大規模災害発生時に避難所を効率・効果的に運営するためのスキーム、「校区防災連絡会」や「避難所運営委員会」の設置に取組み、実践的な防災訓練等を実施しているところです。
最後になりますが、本年は新元号となる新しい時代の幕開けである同時に、市政施行130周年という大きな節目の年でもあります。本市においては、熊本城大天守の外観復旧や熊本城ホールの開業、新たな熊本市民病院の開院など市民の方に熊本地震からの復興を実感していただくとともに、ラグビーワールドカップや女子ハンドボール世界選手権の国際大会の開催など、まさに国内外へ力強い熊本を示す大きなチャンスと捉えることができ、さらなる飛躍につなげてまいりたいと考えております。
貴会及び会員の皆様におかれましては、今後とも多くの場面でご協力ご支援をお願いしますとともに、更なるご発展とご健勝、ご活躍を心から祈念いたします。
2019年3月号掲載
熊本市東区長
田端 髙志
昭和55年 熊本市役所 入庁
平成21年 行政経営課総務審議員
平成22年 障がい保健福祉課長
平成24年 健康づくり推進課長
平成26年 健康福祉子ども局次長
平成28年 健康福祉局福祉部長
平成29年 東区長
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