一般社団法人 熊本県中小企業家同友会

特集

各界からの提言

各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ

「山鹿創生」の実現に向けて

本年2月より、山鹿市2代目の市長として、市政を担わせていただくことになりました。前中嶋市長が合併後の16年間取り組んでこられた政策を尊重し、本市の持続的発展に向け、継承すべきところは継承し、時代の流れと共に変えるべきところは変えてまいります。

山鹿市は、熊本県の北部に位置し、福岡県と大分県に接する農林業が盛んな地方都市で、古くは、江戸時代の参勤交代の宿場町として栄えました。現在は、豊富な湯量を誇るやまが温泉五湯郷や渓谷、棚田などの豊かな自然と、「チブサン古墳」に代表される数多くの装飾古墳群や邪馬台国時代の県内最大の集落遺跡である「方保田東原遺跡」、大和朝廷によって築かれた「鞠智城」など、多くの国指定史跡を有しています。

江戸時代の参勤交代路であった豊前街道沿いには、明治の芝居小屋「八千代座」(国指定重要文化財)や山鹿灯籠民芸館等の歴史ある建造物が立ち並び、古き良き時代の面影を今に伝えています。

和紙だけで作られる「山鹿灯籠」は、平成25年12月26日に『国指定伝統的工芸品』の指定を受けました。毎年、8月15・16日に開催される「山鹿灯籠まつり」では、「奉納灯籠」や金灯籠を頭に掲げた女性たちが優雅に舞い踊る「千人灯籠踊り」があり、幾重にも重なる灯りの輪が、見る人を幻想的な世界へと誘います。

農産物では、菊池川流域の肥沃な土地では、良質な米をはじめ、スイカやメロン、キンカンなど、山間部では県内一の生産量を誇る栗や筍のほか、茶や椎茸などの農産物が生産されており、菊鹿地区で採れるブドウを使った「菊鹿ワイン」も好評を博しています。

「自然と歴史に浸れる観光都市」として、さらなる観光客誘致と交流人口の拡大に努めています。

私の市政運営としては、市民の持つポテンシャル(やさしさ)(進取の気性)(連帯感)を形にする「山鹿創生」をまちづくりのテーマとし、6つの公約を掲げ取り組んでまいります。
1) 新型コロナウイルス対策
2) 少子高齢化対策
3) 経済 (農林業・商工業・観光業)
4) 医療・福祉
5) 市民生活 (教育・文化・スポーツ・交通)
6) 行政

これら6つの公約の中で、まず取り組むべきことは、新型コロナウイルスから市民をしっかりと守ることであります。

本市でも、ワクチン接種を4月から始めており、県や鹿本医師会などの関係団体との連携を更に強化し、さらに、疲弊した地域経済を一刻も早く回復させ、市民の皆様の笑顔を取り戻すため、感染防止対策や経済対策に全力で取り組んでまいります。

加えて、これからの急激な人口減少や超高齢化社会に向けて、財政の健全化はもちろん、災害に強く住みやすいまちづくり、農林業や商工業の後継者支援、観光振興のためのインフラ整備や地場産業育成、高齢者や障がい者の生活支援、子育て支援や人材の育成、教育・文化の振興などの取り組みを行ってまいります。

私は、市民の皆様の声をしっかりと受け止め、未来ある子どもたちのためにも、先人が残してこられた豊かな自然環境、歴史・文化遺産、伝統工芸などを活かしたまちづくりを展開し、「6つの公約」の実現、すなわち「山鹿創生」の実現に向けて全力で取り組む決意でありますので、皆様の温かいご理解とご協力を心からお願いを申し上げます。

結びに、貴会のますますのご発展と会員の皆様のご健勝とご多幸を心よりご祈念申し上げます。

2021年5月号掲載

山鹿市長 早田 順一

山鹿市長
早田 順一

昭和41年(1966年)12月15日生まれ
平成3年3月 九州産業大学 卒業
平成11年2月~平成17年1月
鹿北町議会議員(2期)
平成17年2月~平成18年12月
山鹿市議会議員(1期)
平成19年4月~令和2年12月
熊本県議会議員(4期)

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