各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ
大きな環境変化を
チャンスに
熊本県中小企業家同友会の皆様におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
私達商工会連合会は、商工会法に基づく特別認可法人であり、同法第3条に「地区内の商工業の総合的な改善発達を図り、あわせて社会一般の福祉の増進に資することを目的とする」と規定されており、熊本県内には49商工会が設立されています。
商工会は、地域の商工業者が集まり、経営課題への対応や社会的地位の向上を図る活動などを自主的に行う地域に密着した唯一の「総合経済団体」であり、都道府県等の助成を受けて地区内の小規模事業者や創業予定者を対象とした経営や技術の改善発達をサポートする「支援機関」としての役割も有しています。
このような中、連合会では、新型コロナウイルス感染症による「経営への影響調査」を3年以上継続実施しており、コロナ禍の中での売上高等の動きや、原材料高や物価高等が事業者に与える影響をデータとして把握し、事業者の生の声とともに公表し、国や県等へ報告して支援策の創設や拡充につなげているところです。
現在、中小企業・小規模事業者を取り巻く環境は大きく変化しています。
ウィズコロナ・アフターコロナへの対応、事業承継の問題、人口減少・少子高齢化による人手不足の解消といった構造的課題に加え、原材料高による価格転嫁対策、加速するDX・デジタル化、働き方改革、SDGs、頻発する自然災害など様々な課題が複雑に重なり合うなかで、それぞれの事業者が自社の強みを最大限に活かしながら、様々な外部環境から取り残されないよう対応していかなければなりません。
特に熊本県においては、世界最大手の半導体企業TSMCの菊陽町進出を契機に、県経済活性化への期待が高まっており、地元や周辺地域のみならず、県内経済全体へ波及効果が及ぶことが求められています。
事業者にとっては大変な環境変化ではありますが、これをチャンスと捉えて、新たな取り組みにチャレンジすることが、県内経済の活性化につながっていくものと考えております。
熊本県中小企業家同友会の皆様方におかれましては、同友会理念に基づき「よい会社をつくろう、よい経営者になろう、よい経営環境をつくろ う」という3つの目的を実践されており、深く敬意を表します。
私達商工会連合会も、関係機関や行政と連携し県内経済の浮揚につながるよう邁進していく所存であり、貴団体と目指すべきところは同じであります。長いデフレ経済からの転換点を迎え、物価と賃金の上昇という好循環が生まれつつありますので、熊本県内においても好循環が生じて継続できるよう、これまで以上に力を合わせて連携してまいりましょう。
2023年7月号掲載
熊本県商工会連合会 会長笠 愛一郎
昭和27年2月生まれ。菊池市出身。
武蔵工業大学(現在の東京都市大学)卒業
菊池市議会議員平成元年~平成18年(4期)。平成15年5月菊池市商工会長就任(現在7期目)。平成30年5月熊本県商工会連合会会長就任(現在2期目)
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