各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ
地域づくりにおける中小企業への期待とは ~新米町長が想うこと~
熊本県中小企業家同友会会員の皆様の益々のご活躍をお慶び申し上げます。
貴会におかれましては、会員企業様同士のたゆまぬ切磋琢磨と地域経済の心強い先導役として、それぞれの地域の中で熱い活動を続けておられますことに、心から敬意を表しますと同時に、共鳴の大きな拍手をお送りいたすものでございます。
先般、貴会の平成26年度総会にお招きを賜り、経営理念の希求と意欲・使命感に溢れた会場の雰囲気に心躍る数時間を過ごさせていただきましたことに厚く御礼を申し上げます。
さて、私共の和水町は平成18年3月に旧菊水町・旧三加和町が合併し新しく誕生いたしました。
他の中山間地と同様に、農林業の衰退、歯止めの掛からぬ人口流出、進むばかりの少子高齢化など、生活基盤の安定や定住促進を目指す「町づくり」を阻む難問が山積し、上向いたとされる景気回復の実感にも極めて乏しい現況にあります。
そんな和水町が「確かな存立」を続ける為の最優先課題は、やはり「雇用の場の創出」であります。
この町で育つ若者がこの町に残り、この町で働き、家庭を築き子供を育てる…地域にとっては、これが理想の世代循環であります。
当然ながら、首長にとっては「企業誘致」「地場産業の育成」が最大の命題となります。
当町は九州縦貫道菊水ICを有し、肥沃な土地と温泉や湧水にも恵まれた豊かな土地柄にあります。
農林業と商工業の一体的な町づくりには最適と言えるかもしれません。
そこで、大きな存在価値を持つのが中小企業の進出または起業・育成・存続であります。
中小の企業が地域に根を張り、住民に溶け込み、生活の基盤を支えていただく…一方、勤労者は給与だけでは安定に乏しくとも、地産地消型農業により収入を補う、まさに住民そのものが「農であり商工であり、地域を維持する」そんなコミュニティーが実現できるのではないかと胸を熱くしています。
実は当町にも町営であった温泉・物産販売館を承継し、ご奮闘をいただいている貴会の会員企業様がおられ、町民の全てが感謝し、その企業様の盛況と存続を心から祈っている状況がございます。
大企業には真似のできない地域や人との密着度、これこそが中小企業の醍醐味であり、意義であろうかと思うものであり、農と商工の一体化、地域・人と企業の一体化による共立のための相互補完、これが中山間地の町(地域)づくりのベースではないかと考えるものであります。
私の町づくりも企業誘致も途に就いたばかりでありますが、経営者の皆様に胸襟を開いてお誘いを続けて参りたいと決意をいたしております。
小規模自治体が中小企業にかける期待と想いをご理解・ご斟酌いただき、その価値に自負を持たれ、目を向け続けていただければ誠に有難く存じます。
熊本県中小企業家同友会の皆様におかれましては、地域経済先導役としての一層のお力添えを賜ると共に、益々のご発展・ご成長を祈念申し上げます。
2014年7月号掲載
和水町 町長
福原 秀治
昭和21年4月17日生まれ
昭和47年3 月法政大学法学部政治学科卒業、銀行勤 務を経て平成16年に熊本へ帰郷、平成 26年3月の和水町町長選に初出馬、同4 月16日に和水町長就任
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