各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ
地域の特性を生かした まちづくり
熊本市が政令指定都市に移行して、早いもので2年半が経過しました。熊本市在住の熊本県中小企業家同友会の皆さん方は区制が施行され区役所ができたことで、何か変化を感じておられるでしょうか。
熊本市におきましては区の特性に応じたまちづくりを進めるため、区ごとに「まちづくりビジョン」を策定し、これに基づき区民の皆さんと協働でまちづくりに取り組んでいるところです。
西区は金峰山や有明海に代表される豊かな自然を有しており、この恵みにより古くから農耕等が営まれてきました。このような営みの中で人々の叡智により伝統・文化が育まれ今日に継承されてきています。西区まちづくりビジョンにおいては目指すまちの姿を「金峰望む 華のあるまち西区」としておりますが、これは西区の自然や伝統・文化、農水産物などを西区の魅力を形作る貴重な財産と捉え、これら一つひとつの財産に磨きをかけることで、それぞれが輝く「華」にしたいという思いを込めています。
もちろん、西区で頑張っておられる中小企業も西区の大切な財産であると思っています。
一方で西区には様々な課題があります。中でも全国的な課題となっている少子高齢化、人口減少問題が西区でも大きな課題であると認識しています。
全国的に少子高齢化が進展し、我が国の人口は平成19年に自然減に転じており、いわゆる人口減少社会が到来しています。熊本市は現在のところ新幹線開業や政令指定都市移行の効果もあり人口は増加していますが、西区においては早くから人口減となっており、この20年間で8千人減少しています。(平成26年4月現在9万3千人)
中でも金峰山周辺地域は高齢化率が高く、人口減少も顕著で、このままでは地域のコミュニティの維持も困難になる恐れがあります。そこで、まずは芳野校区をモデルに国の交付金を活用した住民主体によるまちづくりに取り組み、交流人口の増加を図ることで定住人口の増に繋げたいと思っています。
金峰山エリアには豊かな自然はもとより、宮本武蔵が五輪の書を著した霊巖洞やパワースポットの拝ケ石巨石群、夏目漱石ゆかりの峠の茶屋、石畳の道など多くの名所旧跡もあります。皆さんご存じと思いますが、平成28年度は漱石生誕150年、来熊120年、没後100年にも当たります。そこで、金峰山エリアを横断する「草枕の道」に多くの人が訪れ、西区の魅力を味わっていただけるよう、フットパスのルートとして地元の皆さんとの協働により再整備できればと考えているところです。
このほかにも西区においては様々なまちづくり事業を展開しており、それぞれの地域がコミュニティのしっかりした元気あふれる地域となるよう取り組んでいます。
中小企業は日本経済の基盤を支えるとともに地域経済の活性化にも大きな役割を果たしています。まちづくりは住民のみならず地元企業も含め、地域全体が関わることが重要です。同友会の皆様方が今後とも地域に愛される企業として成長・発展されることを祈念申し上げますとともに「地元も元気、会社も元気」となるよう、まちづくりへのご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。
2014年11月号掲載
熊本市 西区長
永田 剛毅
昭和30年10月18日熊本市生まれ、
昭和53年3月熊本大学工学部卒業、同年4月1日熊本市役所入庁。広報課長、企画広報部首席審議員、市民病院事務局長、健康福祉局局次長を経て平成24年4月から現職
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