各界から熊本同友会会員へ向けた熱きメッセージ
「石炭のまち」から新たな「エネルギーのまち」を目指して
私は、昨年2月の市長就任後、市の戦略プランとして『あらお未来プロジェクト』を掲げ、市民みんなで将来を担う子どもたちへの投資による「人づくり」、地域経済の成長による「夢づくり」、健康・長寿の暮らし実現による「安心づくり」の三つのステップとして取り組み、『住みたい、訪れてみたい、幸せを実感できるまち 荒尾』の実現を目指しているところです。
さて、今回は、「地域経済の成長に向けた取組」として昨年新たにスタートを切った事業についてご紹介します。
荒尾市はかつて、我が国の産業革命を支え、日本の近代化に大きく貢献したエネルギー源である「石炭」のまちとして発展してきましたが、三井三池炭鉱は、平成9年3月、124年の歴史に幕を閉じ、昨年、閉山から20年という節目の年を迎えました。
そのような中、近年本市には、環境への負荷が少ない再生可能エネルギーである太陽光やバイオマス発電施設の立地が進んでおり、すでにこれらの施設では、市内全世帯を賄える量の電力を発電している状況です。
この地域特性を生かしたまちづくりを進めるため、昨年11月、三井物産株式会社、株式会社グローバルエンジニアリングとの間で「地域エネルギーの有効活用等を中心としたまちづくりに関する連携協定」を締結しました。
連携事項は、①市所有の公共施設、市内企業等を需要者とする電力の地産地消、②次世代自動車等の電動インフラの整備、③CO2削減等の環境に配慮した社会の実現、④市内の遊休施設等の有効的な利活用、⑤公共インフラの効率化の促進、⑥IT関連の教育機会の創出、⑦その他地域社会に関連するエネルギーの有効かつ適切な利活用、地域社会の活性化に関する事項の7項目です。事業展開としては、まず、地域で発電された電力を地域で消費する「エネルギーの地産地消」事業を開始し、その事業収益の一部を原資として、本市の活性化に資する様々な取組を推進していくというものです。
協定締結後、昨年12月、荒尾市内に上記民間企業2社の出資による地域電力会社『有明エナジー株式会社』が設立され、現在、本市も必要な協力支援を行いながら、高圧電力を使用する公共施設や市内企業等への電力供給や蓄電池を活用したエネルギーマネジメントに向けて準備を進めているところです。エネルギー関係以外でも、廃校を活用した新たなビジネスの創出や地元に残るIT技術者の養成など、幅広く検討協議を行っています。
また、本市では、約35haの競馬場跡地等を活用した新たな拠点づくりを目指し、土地区画整理事業にも着手しているところであり、この広大な土地の有効活用も含め、3者それぞれが持つ特性や強みを生かし連携を図りながら、地域経済の好循環や先進的なまちづくりにつながる取組を積極的に推進してまいります。
今回の連携協定は、本市が新たな「エネルギーのまち」として発展するための大きなチャンスであると考えております。本事業を通じて、全国の方々に注目していただけるような、魅力と活力溢れる荒尾市を目指してまいりますので、今後とも、皆様のますますのご支援とご協力をお願い申し上げます。
2018年3月号掲載
荒尾市長
浅田 敏彦
昭和35年2月23日生まれ。荒尾市出身。昭和55年国立有明工業高等専門学校電気工学科卒業。昭和58年荒尾市役所入庁。平成22年政策企画課長、平成26年総務部長、平成27年企業局長を経て、平成29年2月荒尾市長就任
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